東北ドローンブログ
2024.07.01
DJI FlyCart 30の運用テストを実施しました
こんにちは。
株式会社東北ドローンです。
先日のブログでもご紹介しましたが、弊社ではDJI製のFlyCart 30というドローンを保有しております。
(メーカー公式サイト:https://www.dji.com/jp/flycart-30)
今回は、仙台市内でFlyCart 30のテストを実施したため、その一部をご紹介します。
FlyCart 30は、機体下部に接続させる物資輸送機材を組み替えることができます。
組み換え方により、「貨物モード」と「ウインチモード」といった2種類の運搬方法を選択できます。
貨物モードは、箱を使って物資を運搬します。
専用のケースは、物資の積み下ろしが簡単にできる仕様になっています。
重量と重心を検出してバランスを保ち続けることにより、安定した飛行が可能となります。
ウインチモードは、紐と巻き上げ機を使って物資を運搬します。
ウインチシステムというDJI独自のシステムにより、ドローンの動きに柔軟に対応し、物資を高精度に運搬できます。
今回は、ウインチモードのテストを行いました。
場所は「秋保森林スポーツ公園」の屋外ドローンフィールドを使用しました。
(秋保森林スポーツ公園公式サイト:https://www.h-crescent.co.jp/sportspark/)
ウインチを使う場合、ドローンを組み立て後に、物資をウインチに取り付ける作業があります。
今回は、様々な物資を収納できる多目的収納ボックスを輸送します。
ここで、取り付けの手順をご紹介します。
①まず、多目的収納ボックスに物資を入れ、フタをして、左右をロックします。
②次に、閉じたボックスの2か所にひもを巻いて固定します。
③最後に、三つ又のロープを使ってボックスに巻いたひもと機体とを繋げます。
三つ又のロープのうちは2本は収納ボックスに巻いている紐に、残りの1本は機体のウインチに取り付けます。
これで物資のウインチへの取り付けが完了しました!
ちなみに物資を置く場所には、注意が必要です。
FlyCart 30の後方には置かないように気をつけてください。
機体のセンサーに反応してしまうためです。
今回は、機体の側方に物資を置きました。
また、ひもが絡まっていないかも注視しましょう。
物資の準備が整ったので、いよいよ飛行を行います!
離陸の準備が整うと、プロペラが回転する前に「ピッピッピッ…」と複数回、大きく警告音が鳴ります。
安全のための警告音がなった後、プロペラが回り始めます。
機体が浮上した後に、横に置いていたボックスがゆっくりと浮上します。
ボックスが浮く瞬間も安定しています。
機体と物資の両方が地面から離れた後も、安定して上昇しました。
上昇後に、機体が前方に進んだり、進行方向を変えたりしました。
そして、ホバリングもしました。
上記のように、様々な方向へ機体が動いたり、停止した際には、一般的には、吊り下げた物資もそれに伴って振り子のように大きく揺れます。
また、物資も数kgのものを運んでいるため、物資による機体への影響が相当なはずです。
にもかかわらず、FlyCart 30は、安定して飛行・ホバリングしました。
物資を下ろす際も、常に安定した状態でウィンチが伸びて、目標の位置に正確に置くことができました。
FlyCart 30にはウインチの揺れを安定させる機構が備わっており、DJIの先端的なテクノロジーを実感しました。
今回、複数回の様々な動きによるフライトを通じて、ヒヤリとする場面は一度も見受けられませんでした。
FlyCart 30は、機体の安全性はもちろんのこと、機体や物資の安定性にも相当な力を入れて開発された機体であることを確認できました。
弊社では、今回ご紹介したFlyCart 30を使用したテストやPoCなど、産業ドローンによる課題解決支援を随時受け付けております。
2024.06.28
ビジョンキャリブレーションとは?
皆さんこんにちは。
皆さんは「ビジョンキャリブレーション」という言葉をご存じでしょうか?
今回は、ドローンを運用する上でとても重要な言葉の説明を行います。
■キャリブレーションについて
まずは、キャリブレーションとは何かということについて説明します。
キャリブレーション(英語:Calibration)とは、「(道具・計器の)調整」や、「(計器の)目盛り」といった意味を持つ名詞です。
何かを「はかる」ことに関連する言葉であることがわかります。
■ドローンのキャリブレーションについて
ドローンにおいてキャリブレーションという言葉は、上記の意味のうち、「調整」に近い意味合いで使用します。
具体的には、どの部分の調整を行うのかを表す言葉とセットで、次のように使われます。
・ビジョンキャリブレーション(ビジョンシステムのキャリブレーション)
・コンパスキャリブレーション(地磁気センサのキャリブレーション)
・IMUキャリブレーション(慣性計測装置のキャリブレーション)
■ビジョンキャリブレーションとその目的
今回は上記のうち、「ビジョンキャリブレーション」について説明します。
ビジョンキャリブレーションとは、先ほど述べた通りビジョンシステムのキャリブレーション(調整)することを意味します。
DJI製品の場合、ビジョンシステムとは小型カメラにより位置情報を把握するシステムです。
障害物検知や精度の高いホバリングに直結するシステムとなります。
万が一、ビジョンシステムが正常に作動していない場合、機体の操縦が格段に難しくなってしまいます。
■Mavic2のビジョンキャリブレーションについて
DJIのMavic2シリーズで例を具体例を挙げます。
Mavic2シリーズには次のように全方向の障害物検知システム(ビジョンシステム)が備わっています。
・前方
・後方
・上方
・下方
・側面(左右)
Mavic2シリーズでビジョンキャリブレーションが必要な場合は、画面にエラーが表示されます。
具体的には、「ビジョンセンサキャリブレーションエラー」や、「ビジョンシステムエラー」といった表記です。
上記のエラーが表示された場合、エラーを解消しないと正常にセンサーが機能していことを意味しており、無視してはいけません。
ビジョンキャリブレーションを実施するために必要なものは次になります。
・Mavic2本体
・PC(DJI Assistant 2 For Mavicがインストールされているもの)
・USB-C to USB-Aケーブル(Mavic2とPCを繋ぐもの)
ビジョンキャリブレーションを実施するにあたり、事前にPCへのダウンロードが必要なアプリがあります。
「DJI Assistant 2 For Mavic」というアプリです。
アプリはDJI公式サイトの次のページよりダウンロード可能です。
https://www.dji.com/jp/downloads/softwares/assistant-dji-2-for-mavic
DJIがリリースしているもので、他にも「DJI Assistant 2」という名称がつく類似アプリがありますが、
ダウンロードするアプリ名に気をつけてください。
複数の類似アプリをダウンロードしている場合も、必ず「For Mavic」がつくものを選択してください。
もしも他のアプリを使用した場合、エラーが発生してキャリブレーションを実施することができません。
「DJI Assistant 2 For Mavic」をインストールできれば、キャリブレーションの環境は整います。
具体的な方法については、DJIが公式YouTubeチャンネルで公開してい動画がわかりやすいです。
■おわりに
ビジョンキャリブレーションを実施することで、ビジョンシステムのエラーが解消され、安全な運用が可能になります。
もしもエラーが出てしまった際は、焦らずに順を追ってキャリブレーションを行いましょう。
東北ドローンは、これからも皆様へドローンに関する有益な情報を提供するために、日々まい進して参ります。
引き続きよろしくお願いいたします。
2024.06.17
台湾の展示会を視察しました。
■展示会場
2024年6月7日、台湾で開催された台北国際コンピュータ見本市(以下:COMPUTEX)を視察しました。
※参考URL:https://www.computextaipei.jp/
COMPUTEXは、アジア最大規模のICT(情報通信技術)見本市で、2024年の6月4日~7日の期間に開催されました。
世界各国のICTに関するプロダクトが披露されました。
開催場所は台北市内です。
台北駅から地下鉄で20分ほどのところにある、台北南港展覧館という建物です。
台北南港展覧館は、巨大な2つの棟で構成されています。
それぞれの棟の中には広大な展示フロアが複数あり、連日多くの国際的な展示会が開催されています。
■幅広い分野の展示
COMPUTEXでは、それぞれの棟のフロアごとに大まかなコンセプトがあり、
全体として次のような内容に関する企業のプロダクトの展示が行われていました。
・Advanced Communication & Networking(高度な通信とネットワーク)
・AI Computing & System Integration(AIコンピューティングとシステムインテグレーション)
・Components & Battery Energy Storage(コンポーネントとバッテリーエネルギーストレージ)\
・Consumer Electronic Accessories(消費者向け電子アクセサリー)
・Gaming & Metaverse(ゲーミングとメタバース)
・Industrial IoT & Embedded Systems(産業IoTと組込みシステム)
・InnoVEX( Innovation + Venture + Exhibitions を意味する造語)
・International Exhibitors Area(国際展示エリア)
・IoT & Smart Technology(IoTとスマートテクノロジー)
・Media(メディア)
・Semiconductors & Hospitality Suites(半導体とホスピタリティスイート)
・Smart Mobility(スマートモビリティ)
・Smart Retail & Business Solutions(スマートリテールとビジネスソリューション)
・Storage & Management Solutions(ストレージとマネジメントソリューション)
このように、最新テクノロジー全般に関する展示が行われました。
数百にも及ぶ企業ブースがありました。
■世界的な注目度
世界の注目度も高く、開催日初日には、先日世界2位の時価総額になった米国の半導体メーカー
NVIDIA社の創始者でCEOのジェンスン・フアン氏も基調講演を行いました。
多国籍な企業が出展し、多国籍な人々が交流する、まさに国際的な展示会でした。
■ドローンの展示
COMPUTEXは、何かひとつの分野に特化した展示会というよりも、幅広い分野の最新テクノロジーが展示されていました。
ドローンに関する展示も、数は多くはありませんでした。
台湾やマレーシアの新興ドローンメーカーなどがパネルを展示していました。
パネル展示企業のひとつであるAlphaswift社は、物資の輸送や農薬散布のソリューションを提供していることを明言していました。
■AIの全体的な動向
COMPUTEXでは、あらゆる企業のブースにNVIDIA社(AIに使用されるGPUを製造する企業)のロゴを確認することができました。
プロダクトにAIが使われるのは当たり前になっており、その上でどのような独自性や便益を提供できるかが焦点になっていました。
また、AIの「精度」だけでなく「速度」も競争の焦点となっている印象でした。
ChatGPTのような「自然言語」分野の進化と同様の進化が、「画像認識」や「音声認識」などの分野でも起こっていました。
様々な分野のAIで、リアルタイム性が求められていることを実感しました。
■おわりに
今回の展示会では、世界の最新技術に関する法人が一堂に会する場となりました。
約半日の視察でしたが、ブースを一つひとつじっくりと確認するには、数日はかかるほどの出展数でした。
引き続き東北ドローンは、最新技術を追いかけ、時代に合ったより良いサービスを皆様に提供するために精進して参ります。
2024.05.07
XPONENTIAL2024レポート
毎度お世話になっております
東北ドローン 桐生でございます
4月22日~25日までアメリカはサンディエゴで開催された世界最大級のドローン展示会
「XPONENTIAL2024」のレポートをアップいたします。
ビジネス的な部分は一緒に行動させて頂いていた「ドローンジャーナル」様のレポートや出展されていた
「エアオーシャン・スペースワン」様がレポートやイベントを実施しておりましたので、私は少し視点を変えて高校生などの
若い方々がドローンを使った競技を展示会場で開催されており、非常に興味深い内容でしたので、そちらを取り上げてみたいと思います。
〇競技内容
小学生くらいの低学年~高校生くらいのティーンエイジャーと先生などで実施する競技となっており
大きく3つの課題がありましたので、簡単に紹介いたします。
①ドローンレース
②ドローンの下部をバーに早く正確に触れる課題達成型のレース
③AVRという都市を想定した空中ドローンだけではなく、7~10人のチーム戦で地上車両や地上ステーション、
ロジスティクスロボットなどを使用した複合的なミッションをクリアする必要がある競技
くわしくはこちらのウェブページ
・空中ドローンで消火活動を模した競技を行っている様子
・空中ドローンだけではなく、ビルの屋上で作業するローバーを運び、地上にある車両型のローバーと連携し物資を運ぶ
ミッションも同時に進行しており、チーム内での連携が非常に重要な課題になっている。
このように1つの機体だけで様々なミッションではなく、複数名のパイロットに指揮を統括させ、
様々なミッションを達成させるような競技となっており、単純にミッションだけではなく
開発を誰がどのようにしているなどのプレゼンテーションのボード作成しミッションとプレゼンの総合点で
競技を実施していることに非常に感銘を受けました。
・競技だけではなくプレゼンテーションも各チーム趣向を凝らしており、興味深い内容であった
ドローンやローバーの物理的な開発だけではなく、制御するプログラミングやプレゼンテーションのグラフィック開発、
どのように目を引くかなどの趣向なども今後のドローンビジネスに必ず必要な要素を学生時分に経験できるのは非常に
素晴らしい取り組みと感銘を受けました。
非常に絞った内容のレポートとなりますが、今後のドローン業界には必ず必要な取り組みではないかと考え、
日本国内でもぜひ参考に教育カリキュラムの提供をできるように弊社でも検討してまいります。
以上、絞りに絞ったレポートとなりましたが、今回様々な展示を見て、一番記憶に残り、興味深かったレポートでございます。
興味ある方は動画もございますので、是非お声かけいただければと存じます。
2024.04.04
新しいドローン機材を購入しました ♪ 【FLYCART30】
この度東北ドローンでは、新しいドローン機材を購入いたしました。
DJI FLYCART 30です♪
東北ドローンの機材の中で最も大型の機材となります。
FLYCART 30は物資輸送に特化した大型のドローンで、今後様々な機会に使用できると期待しています。
サイズ: アーム展開時:1590×1900×947mm(長さ×幅×高さ)
重量:バッテリー非搭載時:42.5kg
バッテリー2個搭載時:65kg
最大離陸重量:95kg
(詳しいスペックはDJI HPをご覧ください。)
先日、フライト試験をした動画を近日Youtubeにて公開いたしますので、お楽しみに♪
東北ドローンでは、現在スクール受講者募集中です♪