東北ドローンブログ
2024.07.04
IMUキャリブレーションとは?
こんにちは。
東北ドローンです。
今回は、「IMUキャリブレーション」という用語についてお伝えします。
「IMU」も「キャリブレーション」も、日常生活では目にしない言葉であるため、所見で理解できる人はそういないと思います。
一方で、ドローンを運用するにあたり、とても重要な用語でもあります。
ここでは、一つひとつの言葉から見ていきましょう。
■IMUとは?
まずは、「IMU」についてです。
IMUとは、英語の"Inertial Measurement Unit"の略です。
日本語では「慣性計測ユニット」や「慣性計測装置」と呼ばれています。
「3次元の慣性運動を検出する装置」のことを意味します。
「3次元」は、前後、左右、上下の3つの次元を指します。
「慣性運動」とは、外力が働かない「静止」または「等速度運動」のことを指します。
※「等速度運動」は、速度と方向が一定な運動を意味します。
つまり、IMUはドローンが正常に動いたり静止するかどうかを検出する装置といえます。
そのため、「姿勢制御装置」とも言われています。
人間で言うところの「三半規管」に例えられる装置です。
ドローンの制御に欠かせない装置です。
■キャリブレーションとは?
次に、「キャリブレーション」についてです。
以前の投稿でもご紹介しましたが、キャリブレーション(英語:Calibration)とは、「(道具・計器の)調整」や、「(計器の)目盛り」といった意味を持つ言葉です。
ドローンに関する用語として用いる場合は、「調整」に近い意味で使われます。
また、「キャリブレーション」は名詞ですが、動詞として「キャリブレートする」という言い回しでも使われます。
■IMUキャリブレーションの意味
上記を合わせると、IMUキャリブレーションとは、「ドローンが正常に動いたり静止するかどうかを検出する装置を調整すること」といえます。
実運用では、ドローンの動きが不調なときなどに、IMUキャリブレーションを実施します。
■DJI機のIMUキャリブレーション
ここからはDJI機を例に、運用面でのキャリブレーションの使用シーンを見ていきましょう。
DJI機の場合、IMUを構成するセンサーとして、基本的には「3軸ジャイロセンサー」と「3軸加速度センサー」の2つのセンサーが使われています。
DJI機を使用するにあたり、IMUキャリブレーションが必要になる場合は、「IMUエラー」というエラーメッセージが表示されます。
また、次のような事態においても、IMUキャリブレーションが対処法として有効な場合があります。
・機体の動きや静止が不安定な場合
・コンパスがおかしい場合
・ジンバルの傾きがおかしい場合
・機体の動きが「いつもと違う」と感じた場合
上記の事態が起きた場合は、冷静にIMUキャリブレーションを実施することで、機体の動作が改善される場合があります。
■Mavic2のIMUキャリブレーション
ここでは、DJIのMavic2シリーズを例に具体的な手順を見ていきましょう。
まず、機体のIMUキャリブレーションを行うには、次の準備が必要です。
・Mavic2 一式(うち、DJI GO4アプリ:最新バージョン、バッテリー:50%以上)
・水平な作業台など(機体を水平に置くことができる環境)
※ビジョンキャリブレーションの際に使用するPCは、IMUキャリブレーションでは使用しません。
実際の手順は、DJIの公式動画が分かりやすいため、下記URLをご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=lInOPCLiuPo
ここでは、公式動画で紹介された手順のうち、「DJI GO 4アプリ内」における、キャリブレーション開始までの流れをおさらいします。
1.画面右上の「…」マークを開く
2.項目一番上にあるドローンのマーク、「MCパラメータ設定」を開く
3.「詳細設定」を開く
4.「センサー」を開く
5.「IMUをキャリブレートしてください」を開く
あとは、平面上で画面の指示通りに機体の向きを変えていくことで、キャリブレーションが完了します。
上記のように、キャリブレーション実行画面は、アプリ内の直感的には分かりにくい場所にあります。
IMUは、「センサー」である認識がないと、キャリブレーション実行画面までの到達に時間を要することになりかねないので、注意が必要です。
■さいごに
IMUは、ドローンを飛行させるためにとても重要なセンサーです。
キャリブレーションを実施することで、安全性や安定性を確保することができます。
非常時にも対応できるように、キャリブレーションの実施手順を憶えておくと安心ですね!
東北ドローンはこれからも、皆様のドローン運用に役立つ情報の提供を目指して精進してまいります。